<相続人がいない場合相続財産は国庫に帰属する>
相続人がいない場合又は相続人全員が相続放棄し相続人がいなくなった場合、最終的に相続財産は国庫に帰属します(民959条)。※債権者、受遺者、特別縁故者は申し出ることができます。
<相続財産清算人の選任>
相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人となります(民951条)。この場合、利害関係人又は検察官の請求により、家庭裁判所は相続財産清算人を選任します。そして選任後遅滞なく家庭裁判所は6カ月以上の期間を設けて選任と相続人捜索の公告を行います。またこの6カ月の期間内に相続債権者等に対する公告(2か月以上)も行います。
※令和5年4月1日から相続財産管理人は相続財産清算人となるとともに相続財産の清算に要する期間が6カ月と短くなりました。
<特別縁故者の相続財産分与の申立て>
自分が特別縁故者に当たると考える者は、家庭裁判所に対して「特別縁故者に対する相続財産分与の申立て」をすることができます。逆に言えばこの申立てをしなければ相続財産が分与されることはありません。またこの申立ては相続人捜索の公告の期間満了後3カ月以内に行わなければなりません(民958条の2②)。従ってこの申立てには相続財産清算人が選任されている必要がありますが、もし相続財産清算人が選任されていない場合、特別縁故者は相続財産清算人選任の申立てをすることができます。
<特別縁故者として認められる者>
民法958条の2①は「被相続人と生計を同じくしていた者」、「被相続人の療養看護に努めた者」、「その他被相続人と特別の縁故があった者」を特別縁故者として挙げています。特別縁故者に対する相続財産分与の申立てをした場合は特別縁故者かどうかを調査されますので、証拠となるべき資料を提出すると良いでしょう。
<相続を放棄した者による管理>
相続を放棄した者は、その放棄の時に相続財産を現に占有しているときは、相続人又は相続財産清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない(民940条①)。相続人全員が相続放棄した場合も相続人がいなくなりますが、相続放棄したからといって直ぐに責任が無くなる訳ではないので注意が必要です。また相続財産を処分等してしまうと法定単純承認(民921条)となってしまうのでこれにも注意が必要です。※民法940条①は「現に占有しているとき」「財産を引き渡すまでの間」「財産を保存」に改正されました(令和5年4月1日~)。
